オーバーホール

一般的には遅くとも5年毎のオーバーホールを推奨しています。詳細についてのご案内です。


▼ オーバーホールの必要性

<ご購入後4年以上経過しているようでしたらオーバーホールを推奨致します。>

時計は製造後3年後頃から油切れが始まり5年後には油がほぼ無い状態になってしまいます。
油の固化やチリ詰りも起きてきます。
油のない時計は、自動車のオイルの切れたエンジンのように、いつ故障してもおかしくない状態です。
逆に適切にオーバーホールをしておけば数十年使えるということになります。
油のあるうちは歯車の接触は金属同士でなく油の接触ですし歯車心棒と受石との接触は溝の油の上で回転している状態に近いので摩耗がありません。
その他、サビを防ぐ役割を含め油は重要です。

オーバーホールは、時計の部品のすべてを分解し洗滌して、注油しながら組み立てて行きます。
その後、調整・点検をして仕上げます。
定期的にオーバーホールをしていない時計はチリ詰まりや部品摩滅が原因して精度が出ない場合もありますが 、ひどい状態でない時計はオーバーホールで甦ります。
(注:オーバーホールの内容で精度が決まるとは限りません)

オーバーホール(分解掃除)工程

・ 現状把握、見積り提示、進行

・ 時計を各部品に分解
・ 部品の洗滌・サビ落とし
・ リューズ・ボタン等の外装の汚れやサビの除去
・ 針の夜光塗料の塗りかえ(希望による)やベゼルの彫り文字の墨(ラッカー)入れ(希望による)
   (文字盤は劣化していても夜光塗料を含め殆ど触れません(交換か書換え(リダン)しかありません))
・ プラスチック風防の磨き(磨いて良化が見込める場合)(ガラス風防は磨けません)
・ 不良の交換部品準備
・ 注油・組立て
・ 調整・検査(繰返し)
・ 防水検査、ランニングテスト

・ ブレスレットの洗滌
   オプション作業の「磨き仕上げ」は主に「研磨」作業です。

▼ クオーツ時計のオーバーホール

クオーツ時計でも機械部分があり、やはり「油切れ」は3年から始まり5年では油切れ状態になります。
油切れ状態では部品の磨耗が進みますので、5年経ったらオーバーホールをされるのを推奨します。

機械式時計はそれ以前にも「精度落ち」などの現象が出たりしますので、その場合には早めにされるのが良いのです。

クオーツ時計はチリ詰り状態では止まりや電流過多での電池消耗異常が発生することもありますが、余り「精度落ち」はしません。
(1ヶ月に10秒以上遅れたりの「精度落ち」が出た場合は、オーバーホールが必要です)
従って10年も正常作動ということは珍しくはありませんが、部品は摩滅していきます。
大事な時計はやはり5年経ったらオーバーホールをするのが良いでしょう。
時計の価値とオーバーホール費用を鑑みてご検討下さい。
料金は機械式時計に比べて多少お安くなります。
クオーツ・クロノグラフ時計の場合は少し複雑な機構になりますので、オーバーホール料金も機械式時計に近くなります。